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2児パパゲーマーのマイホームとゲーム関連ブログです。しばらくマイホームの話題多めの予定。

PSPのおすすめ名作ソフト一覧をジャンル別に紹介します!

どーも、パパゲです。

PSPのダウンロード版ソフトはPS Vitaでも遊ぶことができます。なので、Vita党の僕としてはもちろんPSPで面白かったソフトも可能な限りバッチリダウンロード済みです。
今回は、僕がおすすめするPSPの名作ソフトたちをジャンル別の一覧形式で紹介していきます。

Vita純正タイトル達に比べればグラフィックは流石に劣りますが、今遊んでも面白いタイトルたちを集めたつもりです。1本2本は琴線に触れる物があればうれしいです。

※発売日、価格は全てPSP版の物を記載しています。また、価格については2018年3月現在のダウンロード版の物を記載しています。
※※画像は全てPS storeの物を引用させていただいています。

RPGの名作おすすめソフト一覧

勇者30

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 超速RPG
開発元 オーパススタジオ
発売元 マーベラスエンターテイメント
発売時期 2009年5月28日
価格 1,543円
CERO A

30秒で世界を救え。フリーゲーム『三十秒勇者』を元にした超速ゲーム集。

原典である三十秒勇者を下敷きとしたRPGをメインモードに据えつつ、STG、RTS、ACTと異なるモードが収録されています。

見た目はファミコンリスペクトの粗めなドット絵のため敬遠する人もいるかもしれませんが、30秒で世界を救う疾走感を一度体験すればそのゲーム性に虜になるかも?

各メインモードについて説明して行きます。

  • 勇者30:本作のメインモード。30秒で世界を滅ぼす破滅の呪文が存在する世界で、破滅の呪文を手に入れた魔王達から世界を守る超速RPGです。
    お金にガメツイ時の女神様から授けられた超速レベルアップの力を使って、全50体以上にも及ぶ魔王達の破滅の呪文を阻止して行きます。基本的に1ステージ1体の魔王を相手取り、1ステージ中で装備やアイテムの準備、住民からの情報収集やお悩み解決、お宝探索、謎のダンジョンの調査などなど、RPGのお約束を超速でこなしながら30秒で魔王を倒し世界を救います。とはいえ、30秒ではとても足りない!という時ももちろんあるため、時の女神様にお金を渡して時間を巻き戻してもらいましょう。
    1ステージに二つ特定条件を満たすと手に入る称号集めや隠された装備品の収集などをはじめ、単純なタイムアタックなどのやり込みが熱いです。挑戦ステージより後のステージの装備品はタイムパラドックスにより使用できないという制限があるため、同条件で全国の勇者とタイムを競えます。
  • 魔王30:勇者30から100年後が舞台。太陽が苦手な魔王様が、夜明けまでの30秒間で何者かに操られた人間等を召喚魔法で倒していく超速RTS(リアルタイムストラテジー)です。
    魔王は基本的に時間で増加する魔力を消費しての召喚魔法を使うことしかできず、戦いは召喚した魔物が行うことになります。魔王がダメージを受けると魔力の最大値が下がり、弱い魔物しか召喚できなくなるため、いかにダメージを避けながら強い魔物を召喚していくかが重要です。
    敵や召喚した魔物には3すくみの属性の内の何か一つが割り振られているため、敵の属性と相性のいい魔物を的確に召喚していく必要があります。
    勇者30と同じく、30秒間でステージをクリアする必要がありますが、ステージに設置されている金の樽に触れることで時間を巻き戻すことが可能です。
    時間を巻き戻すにはお金を全額消費してしまうのですが、ステージクリア時の残金が魔王の成長にも関わるため、タイミング良く時間を巻き戻しましょう。
  • 王女30:勇者30から200年後が舞台。お転婆王女が王様の病気を治す薬を手に入れるために旅立つ超速STGです。でも、門限まではあと30秒!
    道中に現れるモンスターを倒しながらミッション毎に定められたアイテムの回収などを終え、とんぼ返りでお城まで帰ります。
    兵士が担ぐお神輿に乗って移動する王女 ですが、ダメージを受けると兵士の一部が脱落し移動速度が落ちてしまいます。敵や障害物を避けつつ、素早く目的を達成することが必要です。
    例によって、何故か道中に設置されている赤いカーペットを通過することで、お金を消費して時間が巻き戻るため、うまく活用して門限を守りましょう。
  • 騎士30:勇者30から400年後が舞台。ただひたすらに甲斐甲斐しい半人前の騎士が、周囲の魔物を滅する呪文の使い手である賢者様を守る超速ACTです。呪文発動までの時間はもちろん30秒。
    騎士は体当たりや拾い物の枝や剣などで敵を攻撃できますが、一時的に怯ませることしか出来ません。敵を怯ませ、賢者を安全な位置に連れて行き、30秒間耐え忍ぶことで勝利を掴むことができます。
    体当たりなどの自分を犠牲にした攻撃手段が多い騎士ですが、死んでも賢者様が蘇生してくれるので大丈夫。何度死んでも賢者様さえ守り抜ければ勝ち確です。
    賢者様の詠唱速度を速める聖域や、詠唱をリセットする騒音を発生させる悪魔の鐘など、夜なべして作成する罠などのギミックも存在し、色々と工夫のしがいがあります。
    30秒耐えしのべば勝利という性質上、他のモードとは違い時間をまきもどすことはありません。また、ストーリー上でもこのモードだけ時の女神様が不在です。

また、各モードをクリアすることで、最終決戦である「勇者300」、おまけモードである「勇者3」をプレイすることが出来ます。

最終決戦の「勇者300」は、各主人公の結集や時の女神様のその後など色々と燃えること請け合い。

「勇者3」は、その名の通り3秒で世界を救う必要があります。もはや何の冗談かと思われるほどですが、やればやるほど上手くなりクリアに近づく感覚はすごいと思います。

全体的にはギャク調の世界観でシナリオは進行していくのですが、終盤のシリアスっぷりにはかなり熱くさせられます。

「……ウォ……ヅキィ……」はトラウマ。(あんなもんデュエルグリーブ装備したままに決まってるがな)


ゲーム性以外に特筆なのは使われている楽曲のクオリティの高さ。メインテーマをTHE ALFEEの高見沢俊彦が務め、古代祐三、桜庭統、など著名なゲーム作曲家の楽曲たちがゲームを彩ります。アップテンポでロックな楽曲からしんみりバラードな楽曲まで名曲揃いです!

各モードのタイムアタックや、時間巻き戻しなしで本当に全て30秒でクリアできるのかのチャレンジなどのやり込みも熱い本作。
隙間時間にサックリプレイにも適しているので、ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?

勇者30 SECOND

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 超速ドラマチックRPG
開発元 オーパススタジオ
発売元 マーベラスエンターテイメント
発売時期 2011年8月4日
価格 2,160円
CERO A

30秒で世界を救え、再び。RPG要素がパワーアップした超速RPG第二弾

勇者30の続編で、前作から「勇者30」以外のモードを廃し、RPG部分を超絶パワーアップさせた作品です。物語は前作からの続きとなっており、キャラクターも多数続投しているため、出来れば勇者30プレイ後に遊んで欲しいです。

見た目はファミコンからスーパーファミコンにパワーアップしています。

本作も、時代の異なる複数の主人公を操作することになりますが、ジャンルは全編RPGに統一されています。やはりRPG部分が一番面白かったという声が前作には多かったのかも。

前作では、ステージ間の移動は世界地図での地点選択制でしたが、本作では通常のRPGの様にワールドマップを渡り歩くことになります。

また、エンカウント方式も歩数エンカウントからシンボルエンカウントに変更され、ワールドマップでも敵が出現するようになりました。

ステージ攻略中は超速レベルアップで魔王を倒し、攻略後はレベルが下がってしまう仕様はそのままのため、ワールドマップで敵と戦ったら困るんじゃ?と思われるかもしれませんが、本作では基礎レベルを上げることができるようになっています。

基礎レベルが上がると、ステージ開幕時のレベルが基礎レベルから開始され、ステージクリア時のレベルリセットも基礎レベルまでに抑えられるようになるため、ステージ攻略に行き詰まった時はワールドマップでレベル上げをしたり、と普通のRPGのようなことも出来るようになりました。

ワールドマップ内にはステージとは関係ないダンジョンも用意されており、そこでは超速レベルアップの恩恵を受けることが出来ないため、基礎レベルの向上が重要となってきます。ステージ攻略についてはよっぽどのことがない限りレベル上げは必要ないため、このダンジョン攻略のためにレベル上げをする機会の方が多いと思います。

戦闘に関しては、本作から一定回数敵に攻撃することで発動する必殺スキルが用意されました。必殺スキルは各種武器に設定されており、武器を装備して一定回数使用することで習得することができるようになります。

強力なスキルは発動までに要する攻撃回数が多いため、例えばボス戦で発動するように調整してから戦いを挑む、といった戦略も考えられます。

前作では基本的に一人で戦うことが多かったですが、本作ではパーティを組み戦っていくことになります。仲間になる各キャラクターにはステータスや攻撃方法、必殺スキルなどが設定されており、各人の個性も強いです。
関係性の高いキャラクターを組み合わせることで、必殺技より強力な協力技も発動するため、好みでパーティを組むか、強さ重視でパーティを組むか、協力技も考えてパーティを組むか、頭を悩ませてくれます。

ジャンル名の「超速ドラマチックRPG」や本作のキャッチコピー「この戦いは、俺を裏切った運命への復讐だ」にも如実に現れている通り、本作はシナリオが非常にシリアス寄りに力が入っています。所々でギャグ調のステージが入ることもあったり、主人公によっては終始明るめに話がすすむことは有りますが、基本はシリアスです。

相変わらず、楽曲制作陣が豪華。メインテーマに桜庭統を据え、伊藤賢治や光田康典、なるけみちこ、浜渦正志など前作に引き続き著名なゲーム作曲家の質の良いサウンドは非常に評価が高いです。サントラが発売されていないのが惜しまれます!

前作の超速RPGをベースにしつつも王道RPGの要素を取り入れ、サックリ遊べつつも骨太な
本作。前作と合わせて個人的には大のお気に入り作品です。

遊んでいない方にはぜひ遊んで欲しいと思ってます。サックリ短時間を積み上げられるので忙しい方にいかがでしょうか?

イースセブン

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル アクションRPG
開発元 日本ファルコム
発売元 日本ファルコム
発売時期 2009年9月17日
価格 3,024円
CERO C 犯罪

大好評のイースVIIIの原典ともいえる作品。

3人パーティ制や、斬撃/打撃/射撃の三属性、フラッシュガード、素材収集など、のちに続くセルセタの樹海やイースVIIIに連なるシステムの基本が出来上がったアクションRPGです。

前作であるイースオリジンやイースVIから大きなシステム変更を行った本作ですが、荒削りながらも爽快感あふれる戦闘はシステム刷新一作目とは思えない手触りです。

後の作品と異なり、アドルは固定で外せません。その代わり、武器を変更することでアドルの攻撃属性を変更することが出来るようになっています。打撃用剣、射撃用剣では攻撃モーションも変わり、パーティキャラを含めて三属性を揃えられるようになっているため不便ではありませんが、他のキャラクターに愛着を持った人にとっては少し残念な仕様かもしれませんね。

スキルは後の作品のようにひらめきで覚えるのではなく、装備中の武器に秘められたスキルを複数回使用することで習得し、武器を外しても使い続けられるといった形式になっています。習得するまでの使用回数がそれなりに多いので、この点は今となっては少しめんどくさいかも?

アドルの百余冊にも及ぶ冒険日誌のうち、名前が公表されていた6冊の内、ゲーム化されていなかった最後の1冊「アルタゴの五大竜」が本作の物語。(イースVIIIの日誌名「ゲーテ海案内記」は新規に設定されたもの。以降新作が発表されるごとに日誌名が新たに設定されていくものと思われます。)
その名の通り、5匹の竜とその加護を受ける5つの氏族を巡る悲しみの物語が展開されます。イースシリーズには珍しく、終盤のどんでん返しが衝撃の作品です。

ロード時間が殆ど存しないのもグッドポイント。

後の作品の地図探索といった要素は存在しないため、未知のマップを探索する冒険感は後の作品よりは薄いですが、戦闘システムはほぼ完成しているといっても良い作品です。
イースVIIIで虜になった方、少し荒削りですがこちらも遊んでみませんか?

ラストランカー

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル RPG
開発元 イメージエポック
発売元 カプコン
発売時期 2010年7月15日
価格 700円
CERO B セクシャル、暴力、犯罪

10万人のランカーひしめく世界で1位を目指して戦う男の物語。独特のバトルシステムがグッド。

ランカーたちを撃破し、ランクを駆け上がる快感が楽しいRPGです。ただし、10万人のランカーと自由に戦える訳ではなく、シナリオ進行や自分のランク状況で挑める相手が決まってくるため、能動的にはある程度ランカー戦の順序を前後させるくらいのことしかできません。自由度が高そうと思って手を出すとちょっとがっかりしてしまうかもです。

ただ、グラフィックや音楽の評価は高く、終盤駆け足気味ではありますが先の気になるストーリーも展開されていきます。また、独特のバトルシステムはバトル前の戦略練りから考えるタイプで、狙いが決まった時の爽快感は格別です。

バトルに参加するのは主人公1人のみです。モンスターは複数体同時に出現しますが、ランカーとはタイマンで戦うこととなります。モンスター戦とランカー戦ではブレイクゲージ※の有無が異なっており、ランカー戦が本作のバトルのメインであると思います。
※ブレイクゲージ:通常のダメージとは別のブレイクダメージを蓄積させることで相手の体制を崩し、通常では防がれてしまうような予備動作の大きな攻撃を叩き込むことが出来るようになる。主人公の攻撃にはダメージ特化やブレイク特化などの個性が存在する。

バトルシステムはコマンド式ではないリアルタイムなものになっており、時間経過によってたまる行動ゲージを消費して、攻撃、防御、スキルの使用を使い分けて戦います。相手が防御している際やカウンターの準備動作をしている際は何もせず、相手からの攻撃があれば防御をし、相手の大技予備動作中には動作キャンセル効果のある攻撃を叩き込む。など的確な状況判断をする必要があり、手に汗を握ります。

主人公は、攻撃力特化の二刀流、防御特化の盾、ブレイク特化の篭手、カウンター回避型の銃、の4つのスタイルの内2つをセットすることが可能で、戦闘中にセットした2つのスタイルを交互に切り替えていくことが出来ます。ブレイク特化の篭手で相手をブレイク寸前にまで追い詰めた後に攻撃力特化の二刀流でダメ押しのブレイクを行い、強力な二刀流スキルで追撃を行うなど、スタイル同士のシナジーを発揮させることで1つのスタイルで戦い続けるより効果的に相手を倒すことが出来ます。ただ、銃スタイルだけはあまり強みもシナジーも無いかも…

成長システムは王道で、レベルアップで自身を成長させ、ランカーを撃破することで手に入る各種アクティブスキル/パッシブスキルや武器屋で購入するなどで手に入る装備を整えていくことで強くなっていきます。スキルについてはレベルアップすることでセット枠が増加するため、自身が成長するほど基礎ステータスやパッシブスキルのブースト分などで強くなれるということですね。

アクティブスキルは基本の攻撃(弱攻撃、強攻撃)や防御を置き換える基本技と、スキル使用回数を消費して発動させる強力な必殺技、装備中の全スキル使用回数を消費して発動させる一発限りの奥義に分類されますので、自身の戦闘スタイルや敵の特徴に応じて付け替えていく必要があります。基本的に、移動中にスキルを回復させる手段が限られている序盤のモンスター戦はパッシブスキルを重視し、1戦1戦に全力を使えるランカー戦やスキル回復アイテムが潤沢に手に入る中盤以降は強力なアクティブスキルを重視していくようにするのが良いでしょう。

ある程度有用なスキルに偏りがあり、組み合わせが画一化されてしまう傾向があるのは残念ですが、物語終盤のランカー戦はまさに死力を尽くし戦いとなり、上位ランカーを撃破した時の喜びは格別です。ゲームクリア後にはさらにパワーアップしたランカーたちとの再バトルも有るため、緊張感のあるバトルが好きには是非。

クリアするまでのボリュームが20~30時間ほどとRPGとしてはボリュームが少ない部類ではありますが、既にかなりお安くなっているため買って遊んでみる価値は十分にあると思います。いわゆるJRPGが好きな方にはおすすめです。大作の合間にちょっと遊べるゲームを探しているような方、ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?

俺の屍を越えてゆけ

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 世代交代RPG
開発元 アルファ・システム
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売時期 2011年11月10日
価格 1,440円
CERO B セクシャル、暴力

プレイステーション不朽の名作が携帯機で遊べます。今でも色褪せぬ世代交代RPGの名作!

主人公は個人ではなく一族で、長い年月をかけて人に仇名す神々を討伐し、神々と交配する世代交代RPGです。主人公一族は人同士で子孫を作る事が出来なくなる&代々寿命が短い(約2年)といった呪いを受けているため、1年単位で神様と交配し子孫を残していく必要が有ります。

交配する神様によって子孫の成長が変わってくるため、より上位の神とより優秀な子孫を交配して更に優秀な子孫を残し、最終的には呪いを授けた憎き仇敵を討伐するのが当面の目標です。

上位の神と交配するには敵を倒すなどで手に入れる奉納点が必要なため、当面はいくつかある迷宮のうちのいずれかを選択して、一族の強化を図っていきます。各迷宮には制限時間があり、敵の強さ等も含め、基本的に初期の一族では到底最奥までは到達できないため、一族を少しずつ強化しながら、迷宮の深部や時には上位の迷宮の入り口近く等の敵を倒しつつ奉納点を稼いでいきます。

こういった稼ぎ作業をしている間でも無慈悲に時は流れゆくため、あまた訪れる当主の死亡と代替わりを繰り返し、迷宮の最奥に潜む大ボスへと挑んでいくことになるでしょう。

順当に交配を続けていれば子孫は基本的に先祖より強くなりますが、生まれたばかりの子孫たちはもちろん戦闘経験がゼロのため、代替わり直後などは一時的に戦力が低くなることもあります。迷宮の最奥を目指すには、波をもって訪れる戦力のピークを見極めることが重要です。

本作では、敵のドロップ品を開始直後のスロットで確定させるというシステムがあるのですが、敵モンスターによっては、1点物の武器や術(本作では術アイテムを拾うことで使用が可能となる)など貴重なものをドロップすることがあります。スロットとは言っても目押しは不可能で、戦闘開始直後に何が選ばれるかは乱数で決定されますので、見た目だけではあるのですが、戦闘開始前にドロップ品を知ることが出来るシステムというのは何気に秀逸ではないかと思っています。

また、迷宮探索中は時折「熱狂の赤い火」の時間が発生しドロップ率がそっくり逆転します。つまり「熱狂の赤い火」中はレアアイテムの入手率が格段に跳ね上がるのです。「熱狂の赤い火」はダンジョ攻略開始時にいつ頃起こりそうかが可視化されているため、もし「熱狂の赤い火」に遭遇した場合は未入手のレアアイテムを求めてダンジョンを彷徨う楽しみもあったりします。

敵には大将が設定されており、大将を倒せば戦闘に勝利することとなりますが、大将は自身のHPが低下するとすぐに逃げ出してしまいます。前述のドロップ品は大将を倒した際にしか入手できないという制約があるので、前述のドロップアイテムスロットでレアアイテムが確定した場合は一気呵成に敵の大将を討伐しましょう。レアアイテム確定時に限って敵の大将に逃げられたりもします、そんな時はイライラせずにすすり泣きましょう。

ストーリーも秀逸で、中盤の衝撃たるやと言うところもありますし、エンディングでこれまでの一族に思いを馳せる感覚はなんだか涙腺が緩みます。

PSP版では、装備品のステータス調整や術の併せの強化、奥義の併せの追加、一族独自の刀の作成、神様の成長などな多数の変更点が入っているため、PS版プレイ済みの方も新鮮な気持ちで遊ぶことが出来ると思います。往年の名作を是非、遊んでみてはいかがでしょうか?(何かと話題の続編ですが「一部残念な点が有るも面白い」のでネットの評価を鵜呑みにせずに遊んでみるのも良いかもしれませんよ!)

セブンスドラゴン2020 & セブンスドラゴン2020-II

PSPのおすすめ名作ソフトPSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル RPG
開発元 イメージエポック
発売元 セガ
発売時期 【2020】2011年11月23日
【2020-II】2013年4月18日
価格 【2020】2,674円
【2020-II】2,674円
CERO 【2020】B セクシャル、暴力
【2020】B 言語、暴力

「世界樹の迷宮」をRPGに落とし込んだDSの名作『セブンスドラゴン』の続編

シリーズ完結までにDS⇒PSP⇒3DSと紆余曲折を経た『セブンスドラゴン』シリーズの2作目とその続編です。
当初は外伝シリーズとして発表されていたような気がしますが、続編の『セブンスドラゴンIII』を見るに正式に本編シリーズとして扱われている様です。

初代『セブンスドラゴン』は「不便さ」「理不尽さ」それによる「困難さ」が目玉であった『世界樹の迷宮』の精神をダイレクトに受け継いだ非常に尖った作品でしたが、本作はかなりマイルドな調整をされています。とはいえ、油断すると全滅する場面もいくつかあったりしますが。

『セブンスドラゴン2020』は5つの職業、『セブンスドラゴン2020-II』では6つの職業を組み合わせた3人でパーティを組みます。職業はどれも特徴的ですが、開発者曰く余程無茶なパーティ構成でない限りはクリア可能とのことなので自由に選んでみるのが良いでしょう。

『セブンスドラゴン2020』の各職業の特徴は以下です。

  • サムライ:身体能力Sランク。どんな局面でも活躍できるオールラウンダー。雑魚戦で便利な全体攻撃スキルや複数回攻撃スキル、特殊効果付きスキルが使用可能な「抜刀」。ボス戦で輝く物理与ダメージ大幅強化スキルや単体大ダメージスキルが使用可能な「居合」。2種の構えを使い分け、モンスターやドラゴンを駆逐します。自己のみですが、回復スキルや強化スキルがあるのも大きな強み。特別なアイテムを装備しない限り戦闘開始時の構えが「抜刀」固定で、構えの変化に1ターン消費するため、対雑魚対ボス臨機応変に準備する必要があります。序盤のうちは、どちらの構えのスキルを伸ばしていくか考えてから成長させるのが良いでしょう。
  • トリックスター:敏捷性Sランク。素早い動きで戦場をかき回すスピードスター。武器により使用可能なスキルが異なり、強力な状態異常攻撃を使い込なす「短剣」。攻撃力が高く、全体攻撃や単体特化の攻撃、自身の狙われ率ダウン&味方への攻撃に強力カウンターなど、純粋な火力職と見まがう「銃」を選択することが可能です。サムライの構えとは異なり、戦闘中の変更は一切できないため、サムライ以上に戦闘前の準備が大切で、また、スキル習得にも気を付ける必要があります。
  • デストロイヤー:運動能力Sランク。敵の攻撃を一身に受け、全てを砕くヘヴィファイター。敵のヘイト(敵からの狙われ率)を上げ、どんな攻撃にでも強烈なカウンターをお見舞いする「迎撃スタンス」。爪やブレスなど一定の攻撃方法であれば完全無効化し、こちらも強烈なカウンターをお見舞いする「也」系スキル。各攻撃スキルで特別な状態を段階的に付与することで更に強力な攻撃スキルが使用可能となる「D深度」を使いこなし、特に対ボスで活躍する矛兼盾。瞬発力は『居合』サムライやサイキックに及ばずも前準備をあまり必要とせず、「D深度」の段階に応じたスキルを使えば安定して火力が出せるのが強み。また、序盤は防御を固めて消費0の「迎撃スタンス」を連発するだけで殆どの敵が轟沈していきます。
  • サイキック:超感覚Sランク。いわゆる魔法使い枠、回復と攻撃のどちらもまかなえるスペシャリスト。各種属性攻撃を揃え、魔法与ダメージ大幅増加スキルも持ち、効果的に弱点を突けば非常に大きなダメージを与えることが出来ます。また、単体/全体回復も可能で蘇生スキルも使用できるため、パーティに一人いるだけで安定度が段違いです。特に序盤は消費の問題で使いづらい大器晩成型ではありますが、後半になるにつれてアタッカーとしてもヒーラーとしても活躍することでしょう。
  • ハッカー:情報技能Sランク。味方の強化と敵への異常付与でパーティを支えるサポーター。直接攻撃は苦手ですが、敵を操る「ハッキング」は決まればドラゴンも一時的に無力化できるため、非常に強力です。「ハッキング」の成功率は高くはないですが十分狙えるレベル。サイキック同様味方の回復や蘇生も可能で、発動に癖はあるもののサイキックより効果が高い傾向があります。スキルレベルが高くないと効果が低いスキルが多いため、サイキックとはまた別の意味で大器晩成型な職業です。特にEXスキル(使用条件のある大技)は使用ターンに味方パーティに絶対回避の効果を付与できるため、タイミングを合わせられれば非常に強力です。

『セブンスドラゴン2020-II』でも上記の職業は続投、新スキルの追加や各種スキルの調整等は入っていますが使用感は踏襲しています。
2020-IIで新しく追加された職業の特徴は下記です。

  • アイドル:フィーバーするほど強くなり、味方を馬車馬のように働かせるアジテイター。敵に付与する「D深度」の付与段階で高レベルのスキルが使用可能となるデストロイヤーと似た要素として、自身の「フィーバーゲージ」の段階で高レベルスキルが使用可能になります。「フィーバーゲージ」に関係なく使用できる充実した攻撃スキルはダメージこそ火力職には劣るものの使い勝手が良く、「フィーバーゲージ」に応じて使えるようになる「オーダー」系スキルはアイドル1人分の行動を消費して仲間2人に再行動を促す特殊スキルで単純に手数が増えるため強力です。フィーバーしすぎるとスーパースターになって手が付けられないほどパワーアップ!ステータス強化状態となり、一部スキルも強力になるため、この時ばかりは火力職としても輝きます。

職業は互いにシナジーを持つように設定されており、例えばサムライはサイキックの属性攻撃に追撃をかけるスキルを持っていたり、トリックスターの狙われ率ダウン&味方に攻撃でカウンターのスキルとデストロイヤーの自身の狙われ率アップ&自身に攻撃でカウンターのスキルを組み合わせてWカウンターを狙ったり、とお互い単体で活躍しても十分クリアには耐えられると思いますが、シナジーを考えてパーティ構成を考えるのも非常に楽しい作業です。

本作は、スキルポイントを消費してのスキル獲得&レベルアップ制を前作から引き継いでいますが、前作の様にレベルアップ時にスキルポイントを取得する仕様ではなく、敵を倒すことで経験値やお金と同様に取得する仕様となりました。転生してもスキルポイントは引き継がれるため、自由にスキルの取得が出来ますし(レベルの問題は置いておいて)気軽に他職に転生できるのも個人的には良い点だと思います。


『2020』及び『2020-II』は同じ世界の直系の続編となっており、主人公も共通という設定です。『セブンスドラゴン』の時代とは異なり、現代の東京が舞台の本作。物語のテイストもファンタジー風味から現代劇に変更されていますが、主人公勢以外のキャラクターに対して容赦のない展開は前作ゆずり。本当に容赦無いです。一部イベントはトラウマ必至かも。名もなきモブキャラクターに対しても、名前とグラフィックがあるキャラクターに対しても等しく平等なのがまた。ストーリーの進行上は『セブンスドラゴン』を知らなくても楽しめますが、ほんの少し登場人物や設定が共通しているため、遊んでいるとちょっとした点で、おぉっと思うかもしれません。

そんな殺伐とした世界の割に各脇キャラクターたちからはお弁当をもらったり、デートイベントがあったり、とそんなことしてる場合じゃないだろ!と思わなくもないです。(ラウンジに行きながら)


物語は、東京に突如飛来したドラゴンとそれに伴い凶暴化したモンスターを討伐するために、通称「13班」に所属する主人公たちが東京各地の異形化したランドマークを探索し、徘徊するドラゴンや奥地に潜む「帝竜」と呼ばれる上位ドラゴンと戦いを繰り広げていく形で進行していきます。

雑魚はランダムエンカウント、強敵ドラゴンはシンボルエンカウントの形式であるため、例えばドラゴンとの戦闘は極力避けてダンジョンを攻略し、のちに成長してから巡滅しに戻ってくることも出来ます。

ただし、ドラゴンを倒すことで手に入る資材を使用することで拠点の施設を増強させ、例えば上位品の武器防具を開発したり、便利なフィールドスキルが取得出来たりと、ドラゴンを倒すことで成長につながる要素もあるため、できれば早めにドラゴンを討伐した方が素早い成長が行えます。

ドラゴンは有限であり、一度倒せば再出現はしません。ダンジョン選択画面で残数を見ることが出来るため、ドラゴンの狩り残しが無いかを確認しながら物語を進めることが出来るのは便利な要素です。残数を0にするのも楽しいですしね。ただ、一部先のイベント戦で戦うドラゴンもカウントされてしまうため、今は戦うことのできないドラゴンを延々と探してさまよってしまうこともありますが…
全体的な手触りとしては一部難易度が高い部分もあるものの、非常に王道の良作コマンド型RPGだと思います。単品で見るとあまり欠点は無いのですが、『2020』と『2020-II』をセットで語ると1点だけ難点があり…、『2020-II』は『2020』の使いまわしが非常に酷いです。職業はほぼ踏襲、マップとモンスターは使いまわし多め。まるで同じゲームをしているような感覚に陥ります。

単品での完成度は『2020』『2020-II』ともに非常に高いと思っているのですが、これだけが欠点。逆に言うと『2020』を楽しめれば『2020-II』も楽しめるのは間違いないです。なので、『2020』をクリアしてからすこーし時間をおいて『2020-II』をプレイするとか『2020-II』プレイ時は新職のアイドルを軸にパーティ構成をガラッと変えるとかした方が良いかと思います。見方を変えれば面白いRPGが2本も出てくれた!と思えます!是非、遊んでみてはいかがでしょうか?

ファイナルファンタジーIII

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル RPG
開発元 マトリックス
発売元 スクウェア・エニックス
発売時期 2012年9月20日
価格 3,394円
CERO A

国民的人気シリーズ3作目のフルリメイク作のPSP移植版。移植元のDS版より遊びやすさが上がっています

言わずと知れた国民的人気RPGシリーズの3作目です。元はFCの2DRPGとして作成されていたタイトルをフル3D化。主人公たちの個性付けや各ジョブの調整、全体的なバランス調整などを行ったフルリメイクとなります。

FFIIIの移植は、当初は2Dの各種グラフィックをリファインして行われる予定で発表されていました。この発表でワンダースワンカラー(WSC)を購入した方も多かったのではないでしょうか?結局、WSCへの移植はうやむやの内に立ち消え、数年後にDSへの3D移植が発表されることになります。WSCへの移植中止は、FFシリーズ初期に参加していた天才プログラマー「ナージャ・ジベリ」が作成した『FFIII』のプログラム解析が非常に難航したため、いっそ作り直した方がコストも安く早い!という決断の元に行われたと、まことしやかに噂されています。(FC版『FFIII』のノーチラス号の超速移動は「ナージャ・ジベリ」がFCのバグを利用して作成したもので、ナージャ以外には原理が分からかったとか。)

3Dリメイク発表当初は、僕も「何故キャラクターに個性を付けるのか」「何故3Dなのか」と反発心を持ったのですが、実際にリメイク版を遊ぶことで「これは、まぎれもなくFFIIIだ。面白い」と思えるようになりました。結局、ニンテンドーDS版、iOS版、PSP版、とすべて購入して遊びつくしてしまいました(汗)

キャラクターの個性付けに関しては、喜怒哀楽が激しく好奇心旺盛なルーネス、気弱でいじめられっ子なアルクゥ、活発で意地っ張りな紅一点レフィア、沈着冷静でどこか冷めた雰囲気のイングズ、と個性自体は強めのテンプレ的な物が付与されています。が、序盤こそ脇役キャラクターとの関係性や、主人公同士の対立や協和などのやり取りが目立つ者の、中盤以降はそれほどでもありません。元々FC版の時点でも、主人公たちはちょっとした軽口の目立つ未熟な若者といった風情であったため正直あまり違和感は無かったりも。
どうも、本来はもっと個性付けを活用したシナリオや新たな設定の付加といった大幅変更も検討されていたようですが、坂口博信(初期FFの立役者)に相談したところことごとく却下され、今の形に落ち着いたらしいと見たことがあります。結果的には坂口さんの判断は個人的には当っていたと思いますが、いかがでしょうか?

逆に、変化が激しいのは戦闘バランスの方でしょう。敵の同時出現数が8体から3体に減少したことにより、個々の敵能力がFC版に比べて大幅に強化されており、同時にプレイヤー側も攻撃力や回復力の強化がなされています。空手家などのジョブ熟練度と本作で追加された腕熟練度を限界まで極めればとてつもないダメージが叩き出せるようになっていたりも。

ジョブバランスについても見直しがされており、基本的に後半に取得できるジョブほど強力であったFC版に対して、リメイク版ではすべてのジョブが後半まで通用するようにとの方針で調整されています。実際に、狩人や風水師、学者などでも十分に全クリを目指すことが出来るようになっています。また、FC版では純粋に上位互換下位互換の関係性にあった戦士とナイト、モンクと空手家、黒魔導士と魔人などなどのジョブについてもただの互換とはならないように、別の味付けがされています。例えば、戦士とナイトでは、より攻撃的な戦士と守りを固くすることに特化したナイト、カウンター攻撃を操るモンクとためるで攻撃力を倍加させる空手家、最高ランクの魔法は使えず高ランク魔法の使用回数も少ないが低ランク魔法は潤沢に使用できる黒魔導士と低ランク魔法の使用回数が少なく高ランク魔法の使用回数が多い魔人、と差別化が効果的に働いているか否かはともかく、違った役割を持たせようという調整の努力は見て取れます。

また、FC版では猛威をふるった忍者と賢者は大幅な弱体調整を受けています。忍者は、何でも装備可能で能力もトップクラスの全ての前衛系ジョブの最上位互換から、シーフと魔剣士互換の装備で能力値も素早さ以外は前衛職としては特別高い訳ではない感触としてはFF5の忍者に近いジョブ性能に調整されています。一方賢者は、白黒合体召喚が全て使用でき能力値もMPも高い最上位万能魔法職から、白黒は使用可能なものの召喚は合体不可で能力値やMPも他専門職と比べると低くなり、万能というよりかは器用貧乏という言葉が似あう調整がされています。本作では、そもそも物理攻撃力のインフレに魔法攻撃力が圧倒的に着いていけなくなってしまうため、魔人や魔界幻士でさえ不遇であり、それより弱い賢者の明日はどっちだ…、回復に活路を見出そうとも、それなら圧倒的に導師が優秀ですし…

みんな大好きたまねぎ剣士は隠しジョブで登場。そのため、初期ジョブはすっぴんとなっています。たまねぎ剣士は相変わらずの性能で、FC版忍者のように殆どすべての武器防具を装備できるという特性が新たに付与されましたが、レベル80代までは能力は最低クラス。レベル99になることで全てのパラメータがMAXに到達する超大器晩成型として君臨しています。本作はFC版よりオニオン装備が手に入りやすいこともあり、裏ボス戦では貴重な戦力となることでしょう。まぁ、成長が遅い&オニオン装備も最終版でやっと手に入るくらいなので、裏ボスくらいでしか活躍できないという言い方もできますが…

DS版では、すれ違い通信を使用したモグネットシステムを利用し他のプレイヤーに手紙を送ることで結果的に隠し要素を開放する必要がありました。が、現在は既にサービスが停止されているため利用できません。そのため、DS版では前述のたまねぎ剣士や隠し武器などの要素が開放できなくなっていますのでご注意を。PSP版ではゲーム進行に応じて隠し要素開放のきっかけが発生するようになっているため、今なら断然PSP版がおすすめです。

戦闘バランスは大幅に変わっていますが、シナリオも含めこれぞ古き良き王道のRPGと言える内容はそのままです。FC版『FFIII』経験者で昔を懐かしみたい方、逆に一度もプレイしたことのない方、是非、遊んでみてはいかがでしょうか?、

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シミュレーションRPGのおすすめ名作ソフト一覧!

ワイルドアームズ クロスファイア

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル シミュレーションRPG
開発元 メディア・ビジョンエンタテインメント
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売時期 2007年8月9日
価格 2,263円
CERO A

ソニー系ハードで展開された荒野と口笛の名作RPGの系譜を受け継ぐSRPGッ!。

PS創成期から『アークザラッド』シリーズや『ポポロクロイス』シリーズと共に3大SONYRPGとしてその名を馳せていた『ワイルドアームズ』シリーズ。

3大SONYRPGの中では、比較的他のシリーズより長命でしたが、本作のメインプロデューサーがクロスファイア後に開発元を去ったためか、残念ながら本作以降は続編が出ていませんでした。ところが、昨年スマホ版のリリースが突如発表されたニワカに(主に僕からの)注目を集めています。

閑話休題。
本作はジャンルこそRPGからSRPGに変更され、ナンバリングも外れていますが、ワイルドアームズシリーズの影響を色濃く受け継ぐ名作です。何だったら、主要開発スタッフの代替わりを狙った据え置きナンバリング最終作の『ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード』よりもワイルドアームズっぽいです。

舞台は、毎度のごとく星そのものが疲弊し、大地が荒廃した星ファルガイア。

主人公は、ある国の女王によく似た容姿を持つ少女で、過去の事件により「嘘」を激しく嫌悪しています。

母親より託された「荒廃した世界を豊穣の地へ導く」という夢の実現と、その母親を殺した仇敵を追いかけるために各地を旅する中、ある王国で民が圧政に敷かれる様を目にしていきます。自らが王女と間違われた成り行きでついた大嫌いな「嘘」。「本気の嘘なら、後悔はしない」彼女は騎士団を率い、民のために立ち上がる「本気の嘘」を演じて行くことになります。

ワイルドアームズお馴染みの要素も数々登場します。ARMはキャラクターのクラスチェンジ用のアイテム、渡り鳥は冒険家というよりは傭兵稼業、初代で味方キャラクターの特殊技であった早撃ちは凶悪な敵キャラクターが使い手に、と変化球で登場することもあれば、トニーで始まりラギュ・オ・ラギュラで終わる構成などそのまま踏襲されているものも。

味方ユニットは、主人公などの物語の主軸になる固有キャラクターとお金で雇う汎用キャラクターの混成部隊。各キャラクターはARMの力でクラスチェンジすることが可能で、固有ユニットと汎用ユニット共に利用できる汎用クラス、固有ユニット毎に1つだけ用意されている専用クラスを自由に使い分け、各マップを攻略して行くことになります。

各クラスとも経験を積んでいけばクラス固有スキルを習得でき、他クラスでもスキルセット枠に空きさえあれば使用することが可能になります。また、クラスを使い込むことで、そのクラスに就いている時だけ発動する強力なSPスキルといったものも。

汎用ユニットと固有ユニットの違いは、専用クラスの有無と初期ステータス(汎用ユニットはランダム、固有ユニットは固定)くらいなので、その気になれば物語の大部分を汎用ユニットで攻略することも可能です。(一部マップに固有ユニットの強制出撃があるので少し注意が必要ですが)

各マップの最大出撃数は多くて6人、固有ユニットもちょうど6名(+雑種犬1匹)なので、全員パーティインッしていれば逆に汎用ユニットを全く使わず固有ユニットのみでの攻略もできます。

戦闘システムとしは、戦闘開始前に次のマップの詳しい解説が挟み込まれるダイレクト・イベント・レポート(DRE)システムが挟み込まれるのが特徴的です。戦闘に突入する前に、ある程度の情報が得られるため、どのクラスを使い何のスキルを使うかを戦闘前に考えることが出来ます。特に序盤に関しては、特定クラスの味方の有無で難易度が大幅に変わるマップが多いため、非常に重要な要素になってきます。

DREシステムがあることにより、事前に情報を仕入れて考える時間がある=強いユニットでゴリ押し、といった戦法は中々取れません。敵も相応に強いため、戦闘開始後も、地形効果や高低差、包囲効果、バフデバフなど状況を的確に把握しながら進軍する必要があるでしょう。MAP攻略中の中断セーブ&ロードも存在しないため、難易度は高い方ではないかと思います。

問題点としては、特に序盤に関してDREの指示に従わないとクリアもおぼつかない様なマップが存在し、クリアまでの道筋を押し付けられている様な感覚になってしまう部分があると思います。中盤や後半に入れば自軍の戦力の幅も広くなり、自分で考える必要が出てくるため解消されるとは思いますが、少し残念な部分ですね。

ワイルドアームズシリーズといえば楽曲の素晴らしさも特徴の一つに挙げられると思います。本作ではなるけみちこ作曲の楽曲は残念ながら少ないですが、上松範康や藤田淳平などの良曲クリエイターによる音楽は健在で、オープニング主題歌の「本気の嘘」を始め「傾城佳刀」や「描いた未来を画架に掛ける」など従来シリーズ同様、サントラが欲しくなる作品だと思います。

熱いシナリオ展開と独特の台詞回しは間違いなくワイルドアームズの系譜を力強く継いでいます。ジャンルはSRPGになっていますが、シリーズ好きの方や『戦姫絶唱シンフォギア』好き※の方は、是非遊んでみてはいかがでしょうか?

※本作プロデューサーの金子彰史と上松範康は後に『戦姫絶唱シンフォギア』を作って行くことになります。シンフォギアシリーズもちょいちょいワイルドアームズネタを拾ってくるので、ワイルドアームズファンでシンフォギアを見たことがないかたは是非視聴してみてはいかがでしょうか?

ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 自分だけの騎士団を率いるシミュレーションRPG
開発元 クライマックス
発売元 ナムコ
発売時期 2011年1月20日
価格 1,851円
CERO A

頭を使ったローテーションバトルが面白い、100年戦い続けるRPG

元はPS2で発売され高い評価を得た、世代交代&ローテーションバトルが肝のRPGシリーズ第2弾です。

主人公は不老不死。しかし、周りの仲間は普通の人間のため、数十年ごとに出会いと別れを繰り返していくことになります。

この設定がストーリーともシステムともうまくマッチしており、100年の物語を切なく彩ります。

ストーリー的には、女神により宣告された数年単位で訪れる破滅の預言を回避するため、主人公率いる山賊団(後に騎士団)が魔物を討伐していく物語です。

騎士団は、独自のビジュアルを持つ固有キャラクターと傭兵的に雇い入れる汎用キャラクターで構成されます。

固有キャラクターは、不老不死の主人公との出会い、戦死や寿命、引退などのさまざまな理由での別れ、子や孫の世代との再びの交わりなどが物語中で描かれていきます。

主人公が不老不死だからこそ紡がれる、老いを見届けおるいは突然に訪れる切ない別れと、新たな地での出会いや仲間の面影を残す子世代の入団などの嬉しさとともに騎士団を運営し、女神の預言の宣託から100年後に訪れる真の破滅の時を回避するために奔走していくことになります。

それに対し、汎用キャラクターは完全に戦闘要員ではあるのですが、固有キャラクター同様、男女の契りを交わして子を成し、その子が十数年後に騎士団に入団するといった要素もあります。

固有キャラクターには結婚関係の自由度は全くないため、汎用キャラクターの恋のキューピットに精を出すことで、固有キャラクター以上に汎用キャラクターに愛着を持つことも?

固有キャラクターはイベントの消化が終わるまでは道中倒れたとしても死亡とはならないのですが、汎用キャラクターはあっさり死んで生き返ることも無いため(特に序盤は)慎重なプレイが求められるでしょう。

システムとしては、成長期や全盛期、衰退期といった概念があるのが特徴です。不老不死の主人公は別として、仲間たちは普通の人間です。

たとえ、入団時はあどけなさの残る少年でも数年経てば精悍な青年に、また十数年経てば衰えを感じる中年になってしまいます。

成長期であれば一年経つごとに能力値はうなぎのぼり、全盛期に達すれば成長こそ停滞しますが高い能力を維持し続け、衰退期には見る影もなく能力値が衰えていくことになります。

なので、成長期、全盛期の仲間をうまくやり繰りし、戦力を落とさずに騎士団を運営していくことが重要になってきます。

固有汎用問わず特定のキャラクターを使い続けることは出来ませんが、汎用キャラクターであれば結婚して子供を作ることで、親の能力をある程度受け継いだ少し強いキャラクターが十数年後に加入します。

騎士団の戦力増強を図るためには、騎士団内恋愛をどんどん推進して行きましょう!


本作のもう一つの特徴は、縦3列×横4マスに分かれたエリアに最大7人を配置し、バトル中に前列・中列・後列を1列ずつスライドしながら戦うローテーションバトルにあります。

前列は、直接攻撃を行う列。敵の攻撃は前列にしか届きません。
中列は、自分の目の前にいる仲間の攻撃補助や・防御補助を行う列。例外的に弓を使う職種であれば間接攻撃ができます。
後列は、自分自身や同じ列にいる仲間を回復する列。

と列ごとに、何を行うかがはっきりと分かれています。

本作のキャラクターは、各自なんらかの職業についており、「前列での強力な攻撃と後列での自己回復、中列では何もできない」「前列での攻撃は貧弱だが後列では列回復、中列では攻撃補助と防御補助が可能」など列ごとの行動可否や行動(ステータス)の強弱などの特徴を持っています。

自己回復能力を持たないキャラクターと同じ列に列回復能力を持つキャラクターを配置する、中列では間接攻撃可能なキャラクターの前のマスにはキャラクターを置かないようにする、前列での攻撃が強力だが最大HPの低い仲間の後ろに防御補助が得意なキャラクターを配置する。

などなど、職業間の相性を考えて配置するのがなかなか楽しい時間です。

バトル中では全てのキャラクターの行動が終了したタイミングで列をスライドさせるか現状のまま次のターンを迎えるかが選択できます。前列が元気な場合は現状維持で、疲弊している場合はスライドで後列に回して回復を図る、としていくのが基本になりますね。

ただ、前列を後列ににスライドさせると、中列や後列の補助的なキャラクターが前列に出てくる必要があるため、敵の攻撃が緩くなりそうな時にローテーションを行う、等状況を考える必要が出てきます。


本作では、バトル中のランダム要素が極力排除されています。また、基本的に敵のステータスがバトル前から確認でき、ダメージ計算式も「味方の攻撃力-敵の防御力」とシンプルなため、開戦前のキャラクター配置とローテーション計画で勝敗の9割が決定します。

詰将棋的なバトルが好きならとても楽しめると思います。戦闘前準備中の予定通りに事が運んだ時の快感はたまりませんよ!

また、ストーリーモード以外に、汎用キャラクターのみで100年間を戦い抜くモードも用意されており、こちらには団員の若返りや『テイルズオブシリーズ』のキャラクターが登場し術技を伝授してもらうという専用イベントが用意されています。ストーリーモードとはまた違った楽しみかたができますよ。

バトルシステムなどは大幅に異なりますが「俺の屍を越えてゆけ」で一族を強くしていく事が楽しめた方にはおすすめかも?

個人的にはシステムを継承した続編がVita等で発売されれば良かったのに、と思ってしまう本作、是非遊んでみてはいかがでしょうか?

ラ・ピュセル†ラグナロック

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル シミュレーションRPG
開発元 日本一ソフトウェア
発売元 日本一ソフトウェア
発売時期 2009年11月26日
価格 2,263円
CERO C セクシャル、犯罪

後に続いていく日本一ソフトウェア製やり込みSRPGの輝ける処女作

元はPS2で発売されており、後にPSPに移植されました。

今も続く、魔界戦記ディスガイアシリーズのはちゃめちゃやり込みシステムの大元となった作品です。

PS2版『ラ・ピュセル』発売時の日本一ソフトウェアは『マール王国の人形姫』シリーズが一区切りついた時期であり、本作もマール王国シリーズと同様、暖かな絵柄を基調とした物語になっています。(主人公は凶暴ですが)
シナリオは、絵柄に反してギャグありシリアスありの展開を見せつつ、後半は人の業を軸にしたシリアス一辺倒の物語が展開します。

シナリオは全10話に分かれており、話によってはバッドエンドやグッドエンド、スペシャルエンドなどのマルチエンド形式になっています。良いエンドを迎えると後味の良い終わりを迎え、一品物のアイテムが手に入るなどのメリットもあります。ただ、最終的なエンディングは一種類です。ここもマルチエンディングにしても良かったと思うんですけどね。

9999まで上がるレベル、100万を超えるダメージ。と、今のディスガイアから見ると大したことのない数値かもしれませんが、当時は非常に興奮したものです。

光の聖女と闇の王子を巡る魔王の物語が繰り広げられる本作。主人公たちは教会に所属するシスターで、不浄なるモンスターや不浄なる土地を浄化することができます。

モンスターを浄化すればモンスターが仲間に、 土地を浄化すれば何故か装備中の装備アイテムに経験値が入ります。

本編をクリアする程度であれば、シナリオ任せの成長で特に不自由無く最後まで戦い進めることが可能ですが、本編終了直前に立ち寄ることが可能となる攻略不要のおまけマップや、2週目以降に出現する更なる高難度マップを制覇するには、相応のやり込みが必要となってきます。

成長システムは後のディスガイアシリーズに比べると非常にシンプルです。キャラクターの成長はひたすらレベルを上げるのみ。装備アイテムは属性値や特殊能力の概念が存在するため少し複雑ではありますが、基本的には土地の浄化を行い、装備アイテムをレベルアップさせ、強い魔物を生贄にひたすらアイテム合成を繰り返すことで、どんどん強く成長していきます。ディスガイアシリーズと比較すると、成長にかける時間は控えめです。あくまでディスガイアシリーズと比較すると、ですが。

PSP版では、ディスガイアからラハール、エトナ、フロン、も逆参戦しているのが嬉しいところ。また、追加された隠しマップは敵のステータスがかなりインフレしており、倒し甲斐があります。

また、オリジナル版では半ばギャグとして扱われていた魔王プリエが単独でシナリオ化。話数は全4話と長くはなく、パラレルワールド的扱いではありますが、力に溺れた魔王プリエの顛末を見届けることができるようになりました。魔王プリエ編についてもマルチエンド形式となっており、こちらは最終話のエンディングが変わってきます。

難点は少しバグがあること、2週目はイベントを無視して全てのキャラクターが最初から使用可能になるのですが、ある条件でメインキャラクターが一人消失します。もし、今からプレイされる方は一応バグ情報は確認しておくことをお勧めします。

ディスガイアはプレイしたことがあるけどラ・ピュセルは知らなかった、といった方、是非プレイしてみてはいかがでしょうか?


余談ですが、本移植が発表された際「ラ・ピュセル ラグナロックを含む3部作としてラ・ピュセルを再始動させる。」という発言があったのですが、まだ詳細の発表はないんですかねぇ。
『ディスガイア5』のDLCに魔王プリエ編が配信されているので、ラ・ピュセル自体が忘れられているわけではなさそうですが…(開発中止なんて聞こえない~(∩゚д゚))

魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル シミュレーションRPG
開発元 ウインキーソフト
発売元 バンダイナムコゲームス
発売時期 2012年1月12日
価格 5,122円
CERO B セクシャル、恋愛、暴力

スパロボオリジナル作品唯一の単独タイトルシリーズ。その原点にして頂点。

ファミコンの第2次スーパーロボット大戦で登場した、シリーズ初のオリジナルロボット作品「魔装機神サイバスター」。本作はその世界観を元に単独の作品として独立させたシミュレーションRPGシリーズの第1作目です。

元はSFCで発売されていましたが、後にDSに移植、更にPSPに移植されました。

移植の際には、若干のシナリオ修正(現代にそぐわない表現の修正や、元々第2次~第4次の版権シリーズと地続きであった世界観をOGシリーズ準拠に変更など)とバランス調整(2回行動レベルの引き上げ)、バグ修正や周回時への資金引き継ぎ追加などが行われています。

本作は複雑なストーリー分岐が多く、少なくともエンディングを全て網羅するには3周、ルートによる各キャラクターの参入有無や必殺技の習得など全てを楽しむには何周もする必要があるため、資金の周回引き継ぎが追加されたことは非常に助かると思います。
ただ、若干引き継ぎ仕様が厳しい(使用分は戻ってこない)のがちょっと困りものですが。

システムはおおむね出身作品であるスーパーロボット大戦をベースにしており、精神コマンドや武器、機体の改造などの基本システムは殆ど同一です。

独自の要素としては、向きや高低差の概念(側方/後方から攻撃を仕掛けると命中率とダメージがアップ、敵より高所から攻撃するほど命中率がアップ、敵より低所から攻撃するほど命中率ダウン)やZOC(敵ユニットの)、プラーナ(ブラーナ量により機体性能にプラス補正を受ける。強力な武器を使うとプラーナを消費するため、一時的に機体性能が下がる)、風土水火の四属性じゃんけんなどがあるため、本家スパロボよりも戦術的にユニットを動かしていく必要があります。

その他特徴的なのは、一部武器を最大まで改造すると更に強い武器に進化する「ランクアップ」システム、基本的には性能そのままで攻撃力が向上する形ですが、一部は武器の性質そのものが変わってしまうものもあり、武器を改造する楽しみ、というのが大きかったです。
好評だったのか、後に本家スパロボにも逆輸入されましたが、武器の一括改造制の導入もあり、結局は魔装機神シリーズでしか使い続けられなかったですね。個人的には結構好きなシステムだったんですが。

スパロボよりも諸要素が複雑に絡み合うため、難しそうな印象を与えるかもしれませんが、移動後使用可能武器を強化し、有利属性で、背後から攻撃を打ち込む。という大原則にさえ気をつければ、あとはどうとでもなる難易度ではあります。

戦闘アニメも本家スパロボとは異なり、リアル頭身の迫力あるものが楽しめます。本家の方は人によっては少しクドイと感じる方もいるようですが、魔装機神シリーズはあっさり目だけどカッコいいという方向性です。

ストーリーは、異世界に召喚された地上人が特別なロボットに乗って異世界を救う、という今だとなろう系かとでも揶揄されそうな物語ですが、評価は高いです。

魔装機神シリーズは初代、II、III、完結編のFの4作品が発売されていますが、面白さは文句無く初代が一番だと思っています。

面白さに順位を付けるなら、初代>F>II>>>>>IIIくらいの印象。IIはシナリオに、IIIはシナリオと戦闘バランスに問題があり過ぎます…。IIとIIIのシナリオは部分部分で見れば熱く盛り上がる部分もあるのですが、色々投げっぱなしで終わるのは勘弁してほしいところです。IIIについては戦闘バランスが尖りすぎていて笑えます。敵の量産機にゴミクズのようにボコボコにされる魔装機神が見れるのはIIIだけ!

本家スパロボの最新作、スーパーロボット大戦Xには初代魔装機神仕様のサイバスターとマサキ・アンドーがゲスト出演します。
スーパーロボット大戦をやったことはあるけれどマサキのことをOGでしか知らない方、是非遊んでみてはいかがでしょうか?

【PS Vitaでプレイ不可】クイーンズブレイド スパイラルカオス & クイーンズゲイト スパイラルカオス

PSPのおすすめ名作ソフトPSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル シミュレーションRPG
開発元 トーセ
発売元 バンダイナムコゲームス
発売時期 【クイーンズブレイド】2009年12月17日
【クイーンズゲイト】2011年7月28日
価格 【クイーンズブレイド】2,880円
【クイーンズゲイト】6,458円
CERO D セクシャル

同名ゲームブックが元のちょっとHなスーパーロボット大戦風美闘士SRPG

アメリカで展開されていた対戦型ゲームブック『ロストワールド』を日本向け(にする際に何故か登場人物が全員女性に刷新)に調整した『クイーンズブレイド』及び『クイーンズゲイト』が元になっているSRPGで、PSPにはそれぞれのタイトルを冠した2作が発売されています。

2作発売世界観を共有しており、第1作である『クイーンズブレイド』の登場人物が2作目にも続けて登場するため、1作目から順にプレイする方が楽しめると思います。

『クイーンズブレイド』の登場人物は全員オリジナルキャラクターですが、『クイーンズゲイト』は元のゲームブックのコンセプトが「作品の垣根を超えたキャラクターの共演」であり、様々な作品とコラボしており、ゲーム化の際も『クイーンズゲイト』としてゲームブック化された作品はおおむね参戦しています。各出展作品からの登場人数は1人で、数は多くなく、もちろん男性キャラクターは一切登場しませんが、実は夢の共演ゲームてあったりもするのです。今のところアークシステムワークスとSNKが共演しているのは本作だけ!?

システムとしては、スパロボ開発経験もあるトーセが担当しており、現B.B.スタジオのスタッフも制作に関わっていたらしく、システムも操作感もスパロボに非常に似ているため、経験者であればすんなりと入っていけるような作りになっています。

各キャラのレベルアップや宝石を装備することで習得するスキルは精神コマンド相当に、鍛冶屋でお金を払って武器レベルや防具のレベルを上げる改造、複数ユニットを出撃させターン制で繰り広げられる攻防などは正に美少女版スパロボを彷彿とさせます。

違いは戦闘面に大きく、スパロボは一種類の技を選んで攻撃を仕掛ける形式でしたが、本作ではキャラクター1人1人が持っている数種類の技を1戦闘中に次々と使い分けていくような形で戦闘が進んでいきます。

戦闘アニメは流石トーセ、格好良くコミカルに非常にクオリティが高いと思います。が、後述の仕様と合わせ、基本的に戦闘アニメを全て見る必要が出てくるのがたまにキズ。戦闘スキップも完備してはいるのですが…

大きな要素として特筆すべきは、女性キャラクターの部位破壊です。女性キャラクターには本体HPとは別に頭・胸・腕・腰・脚の部位毎にHPが設定されており、各キャラクターの攻撃技にも「主にどの部位に攻撃を行うか」が設定されています。

本体HPがゼロになることで敵を倒せるのはもちろんですが、各部位を破壊することでちょっとHなカットインを挟みつつ、部位HPにのみダメージを与えられる攻撃チャンスが一回増加します。全部位を破壊すれば獲得資金と獲得経験値が1.5倍になることに加え、もっとHなカットインを見ることが出来ます。オプションのCGギャラリー的なものがないため、この瞬間限定です。

本体HPを残したまま全部位を破にしたか、もしくは本体HPと同時に全部位を破壊したかで表示されるご褒美CGが異なるという偏執的な仕様もあったりで、ちょっとドキドキしながら攻撃を繰り返していくことになります。

また、敵の汎用女性型モンスターに対して、自軍キャラクター唯一の男性キャラの攻撃で全部位破壊をした場合は、各種1体のみ仲間にすることができます。調整するのはなかなか難しいですが、汎用女の子キャラクターを仲間にする機会はなかなか無いため、まだ仲間にしたことがない敵が出現した場合は積極的に狙っていきたいですね。

また、破壊部位への攻撃はクリティカル率が高くなるため、全部位破壊を狙っていない場合は、一部分を執拗に狙うのが有効です。

難点としては、戦闘スキップをした場合はこれらのシステムが機能しないこと。スキップで1部の部位を破壊しても攻撃チャンスの増加はありませんし、ご褒美CGももちろんありません。敵モンスターの仲間化も無し。なので、毎戦闘長めの戦闘アニメを見る必要があり、また、攻撃バリエーションも1人につき精々5種類程度であるため、ちょっと飽きます。

非女性型モンスターなどは部位破壊システムそのものが存在しないため戦闘スキップは問題ありませんし、一度仲間にしたことがあるモンスターも、ほんの少しの経験値や資金は諦めて戦闘スキップしてしまうのが楽しく遊ぶコツかもしれません。獲得経験値や獲得資金は控え目ですが、何回でも挑戦できるフリーマップが存在するため、多少の経験値や資金は十分取り返しがつきます。

もう一つの難点はキャラ格差があることでしょうか、各キャラクターには溜まるとダメージと命中率に補正が入る闘気ゲージが設定されていますが、この闘気ゲージを消費することで使用可能ないわゆる超必殺技的な技が全キャラクターに実装されてないません。キャラ数もそれほど多くは無いのでここは頑張って欲しかったなぁ、というのが個人的に思うことですね。

SRPGのバランスとしては、単騎特攻よりは待ち伏せ型ですを各キャラクターには3すくみの属性が設定されており、敵の攻撃力も高めで相性次第だは簡単に沈むため、待ち伏せて一気倒すスタイルでないと厳しいです。若干ウィンキー時代のスパロボっぽいかもしれないですね。

部位破壊などを含め、ちょっとHなグラフィックが多い本作ですが、緊急時はスタートセレクト同時押しで全く別の画面に切り替わるという親切仕様が搭載されているため、家の中で遊んでも大丈夫!?スパロボ好きなら楽しめると思いますので、是非、遊んでみてはいかがでしょうか?

なお、クイーンズブレイドシリーズは関係なくなってしまいますが、PS Vitaでも続編の『超ヒロイン戦記』が発売中です。本作のオリジナルキャラクターと『超ヒロイン戦記』のオリジナルキャラクターは同じ世界観に属しています。僕は参戦作品の中でシンフォギアくらいしか知らなかったので買っていませんが、システムや雰囲気は本作を踏襲していますので、クイーンズシリーズが楽しめて、『超ヒロイン戦記』の参戦作品も詳しく知っているようなら買ってみるのもいいかもしれません。

最後まで書ききってから気づきましたが、本シリーズは2作ともダウンロード版が販売されていないため、PS Vitaで遊ぶことができません!遊びたい方はPSP&UMDでお願いします…

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アクションのおすすめ名作ソフト一覧

ロックマンロックマン

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル アクション
開発元 カプコン
発売元 カプコン
発売時期 2006年3月2日
価格 700円
CERO A

ポップな初代ロックマン。難易度は全然ポップじゃないぞ!

FCで発売された初代ロックマンを3D化。絵柄をポップにリファインし、子供たちにも親しみやすくした本作。

FC版のステージ構成を再現した「OLD STYLE」、ボスとステージを2種追加した完全新規の「NEW STYLE」をメインモードに、全100ステージからなる「チャレンジモード」が存在、「NEW STYLE」に関しては「らくらく」「そこそこ」「きつきつ」の3難易度に分かれています。

また、本作の「NEW STYLE」ではいわゆる8ボスをロックバスターのみで倒すことで、 ボスを使ってステージの攻略を行える様になります。各ボスはロックマンの特殊武器の動きをベースとした通常攻撃と各ボスごとのちょっとした特殊能力(カットマンであれば三角飛び、など)を持っており、また弱点も据え置きなため、キャラクター次第でステージ攻略の難易度が大幅に変わることでしょう。

また、ネットワークを介してロックマンロックマン専用サイト(RRWEB)に接続することで、ロールちゃんやブルースも使用することが可能です。特に、ロールちゃんはこの方法でしか使用できないため、ネットワークサービスが終了する前に入手しておくのがいいでしょう。(ブルースはチャレンジステージ全制覇でも使用可)

使用可能キャラクターとしては、前述の8ボス、ブルース、ロールちゃん、ロックマンのバージョン違いが3体と、戦闘用へ改造前の設定であるロックを含めた計14体でプレイすることが可能です。

使用キャラクターの違いや、難易度の違いも含めてですが、計400ステージ前後+チャレンジモード100ステージと、実はかなりの大ボリュームなんですよね。

その他としては、本編中で入手したアイテムを使ってステージを自作するコンストラクションモードを備えており、ネットワークを介して配信、もしくは、誰かの作ったステージをRRWEBからダウンロードして遊ぶことが出来るため、実はほぼ無限大のボリュームを持っています。

ダウンロード可能なステージは、公式スタッフが作成した高難度ステージはもちろん、ユーザー有志が作成した全自動ロックマンや、各キャラクターで異なった攻略法を選択できる高度に計算されたステージ、など多様を極め、本編にも引けを取らないステージがゴマンと溢れています。

アクション自体も元がロックマンですから出来は安心花丸印、難易度「そこそこ」の何かそこそこなのかというほどの難易度調整もロックマンらしいです。良質なアクションゲームを大ボリュームで遊ぶことが出来るかなりの良作コンテンツで、本当はロックマンロックマンシリーズとして後継作品が出るはずだったようですがPSPがそれほど普及する前に発売された影響か売り上げが芳しくなかったため、計画は頓挫。本作一作だけが残されることになりました。至極残念。

元々のPSP版では、キャラクターの描画数などが多くなると処理落ちが発生していましたが、VITAでプレイした場合は気にならなくなるのもいいですね。

先日『ロックマン11』も発表され、再び火が灯り始めたロックマンシリーズですが、本作のコンセプトを受け継いだ新作も出れば嬉しいですね。

見た目とは裏腹にいつもの難易度の大ボリュームで遊べる良質アクション、是非、遊んで見てはいかがでしょうか?

イレギュラーハンターX

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル アクション
開発元 カプコン
発売元 カプコン
発売時期 2005年12月15日
価格 700円
CERO A

ほぼ全てが一新された初代ロックマンXのリブート的作品

こちらは、SFCで発売された初代『ロックマンX』の3Dリメイク作品。リメイクとはいえ、設定レベルから作り直しているため、もはや新作といってしまってもいいかもしれません。

グラフィックは全て3D化されていますが、オリジナルの操作感を損なうことはなく、ステージの配置や敵の行動パターンが変更されているため、オリジナル版プレイ済みの方も新鮮な気持ちで遊ぶことができます。

リメイク前と同様、Xを主人公としてゲームを進める『Xモード』をメインに、新たな要素として、約30分ほどのオリジナルアニメーションで、Σが反乱を起こすまでの前日譚を描いた『The day of Σ』。
あの、VAVAを操作キャラクターとして使用できる『VAVAモード』が追加されているため、ボリュームも充分。

『Xモード』で波動拳もしっかり再現されているのが嬉しいポイントですね。

『The day of Σ』は何気にしっかりしたアニメーションで、視聴完了後は『Xモード』の8ボスとの会話が変化するなどちょっとした作り込みにも熱意が見えます。

『VAVAモード』はXとは違ったシステム、操作感を導入しており、また、BGMも変化するためプレイ感ががらっと変わります。
ボスを倒す事で「腕」「肩」「脚」の3種の兵装を取得できるVAVA、プレイヤーは設定されたコスト無いで3種の装備を組み合わせ、各ステージを攻略していきます。
ステージ中に兵装は変更できないため、ステージにあった兵装選びを考えるのはXには無い面白さですね。

本編のパラレル設定として、ストーリーやボス前会話も用意されており、本編とはひと味違ったダークヒーロー的な物語が展開していきます。

2018年夏にはXシリーズをセットにした『ロックマンXコレクション』が発表されていますが、本作はおそらく収録されないでしょう。

オリジナル版とはまた違った面白さを作り出している本作。発売時期の問題で売り上げは良くありませんでしたが、是非是非遊んでみてほしい作品です。

ロックマンDASH 鋼の冒険心 & ロックマンDASH2 エピソード2 大いなる遺産

PSPのおすすめ名作ソフトPSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル フリーランニングRPG
開発元 カプコン
発売元 カプコン
発売時期 【DASH】2005年8月4日
【DASH2】2005年9月20日
価格 【DASH】700円
【DASH2】700円
CERO A

まるで昔のジブリ映画の様な雰囲気を持つ異色ロックマン。DASH3を永遠に待ち続けよう。
元はPSで発売され、一部熱狂的なファンを持つ良作アクションRPGです。

ロックマンシリーズとしては異色のTPS形式で、恒例の8ボスを倒しての能力ゲットやステージクリア型の形式から一新。
街や遺跡を歩き回り探索していくゲームデザイン、お金や資材を稼いで武器の開発や強化を行っていくRPG的な要素を組み合わせた全く新しいロックマンでした。

どこか昔のジブリ映画を思わせるような雰囲気(主にロックとロールのせい。意図的に『天空の城ラピュタ』のパズーとシータと同じ組み合わせにしたんだとか)は他のロックマンシリーズとは大きく異なり、牧歌的で暖かな、のどかな暮らしぶりは他シリーズには見られない光景です。

まぁ、設定的には一番人類に優しくない世界なのは間違いないですが…

良質なアクションは3Dになっても健在で、2Dロックマンよりは優しめだと思います。

ロックマンDASHで度々話題になるのは2冒頭のロールちゃんの鬼畜の所業でしょうか。
1と2は直接の続編だけに、2開始時点で1で作った僕のシャイニングレーザーどこいった!に対する回答としては申し分ないのですがね…

後々ロックマンDASH3の企画が持ち上がり、様々な設定資料が公開され、ついに続編が動き出したのが2010年。
ユーザー参加型でゲーム仕様な一部を決めて行くDASH開発室。あの頃は夢がありました。開発中止になってから、もう7年も経つんですねぇ。

ロックマン新作やXシリーズのセット移植など、ロックマン界隈に大きな動きがある昨今。DASH3の企画が再び動き出してくれたら嬉しいですね。

そんな未来を夢見ながら、懐かしい本作、ちょっと遊んでみませんか?

プリンセスクラウン

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル アクションRPG
開発元 セガ
発売元 アトラス
発売時期 2005年9月22日
価格 2,376円
CERO A

『オーディンスフィア』ヴァニラウェアスタッフの源流

セガサターンの名作アクションRPGとして誉れ高い本作。PSPへの移植で手頃に遊べるようになりました。

後にヴァニラウェアに受け継がれる2Dグラフィックの職人芸は本作でも健在です。元は今から3世代前の作品ですから、多少荒い部分もありますが、動きや表情などはかなり芸コマ。
戦闘終了時に飛び跳ねるグラドリエルが良い味出してます。

この頃から食事に対する力の入れようは変わっておらず、グラドリエルがシャクシャク食べる果物や貪るドラゴン肉を見ているとお腹が空いてきてしまいます。

システムとしては、使い捨てのちょっとした装備品や投擲アイテムなどを駆使して戦う2D横スクロールアクションゲームです。
敵とは野外やダンジョン内でランダムエンカウントすることでシームレスにアクション戦闘に突入します。RPG要素はこのランダムエンカウントとレベルアップくらいなので、どちらかというとアクション要素が強いかな?という感じです。

ただ、後の『朧村正』や『オーディンスフィア レイブスラシル』の様なスピーディでスタイリッシュなバトルとは縁遠く、もっさり系の差し合い戦闘が展開されるため、戦闘に期待する方には絶対お勧めしません。

どちらかというと、外国のファンタジー童話の様なお話と美麗な2Dグラフィックの動きを楽しむ作品だと思います。

ストーリーに関しては、『オーディンスフィア』を楽しめた方ならきっと本作も楽しめるかと。元々『オーディンスフィア』って『プリンセスクラウン2』を仮タイトルとして作成されていたみたいですからね。

温故知新とは言いますが、今の最新ゲームの開発スタッフを遡ってゲームをプレイしてみるというのもなかなか乙なものです。ちょっと遊んでみませんか?

イース -フェルガナの誓い-

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル アクションRPG
開発元 日本ファイルコム
発売元 日本ファイルコム
発売時期 2010年4月22日
価格
CERO B 暴力、犯罪

手強いアクション、高難易度のボス戦。優しさの時代とはなんなのか

『イースIII ワンダラーズフロムイース』をフルリメイクした作品です。元は2Dサイドビューの作品でしたが、時代に合わせ?前作であるイースVIのシステムを継承し、3DトップビューのアクションRPGとして新生しています。

物語的にも、オリジナル版から各キャラクターの性格や内面の描き方、活躍度合いも大幅に変更されており、オリジナル版をプレイしていても新鮮な気持ちでストーリーを追いかけることができます。

アクション面では、体当たりではなく最大5回(特殊モード発動時は最大10回)剣を振る攻撃で敵をサクサク刻んでいくシステムを採用。

イース3の移植らしく、下突きが若干強力なのも嬉しい点です。ちょっと使うのに慣れが入りますけどね。

敵に継続して攻撃を当て続けるとコンボが発生。コンボ中は、経験値の上昇やHP回復、一時的な攻撃力・防御力増加増加アイテムなどの多様なドロップが発生するため、いかにコンボを切らずにを敵を撃破していくかが腕の見せ所です。

コンボが一時的、長期的な戦力増強に繋がるため、イースVII以降の3人パーティ製システムとは違う方向でバトルが楽しい作品です。

本作は回復アイテムの携帯ができないため、コンボで発生するHP回復が殆ど唯一のよりどころ。一応、セーブポイントでHP回復はできますがそれほど多く配置されていません。また、PSP版ではWブーストという特別な技を発動させればHP回復できますが、貯めるのに時間がかかるゲージを消費するため、Wブーストはボス戦に温存する形となるでしょう。

オリジナル版では装備することによって攻撃力倍加やHP回復、完全無敵化などの多様な効果を持ったリングはリメイクに当たって3種類に減少、かつ装備すると魔法が使えるようになるマジックアイテム的な扱いになっています。(また、何故か指輪から腕輪に変更されています。リング?)

3種の魔法は、攻撃にもダンジョンギミックの突破にも使用されます。また、空中で短時間浮遊する、一種だけ全ての攻撃を無効化する、などの付属効果もあるため、本作のボス戦では非常に重要な選択肢となります。

本作のボス戦は非常に難易度が高いです。コンボによる回復アイテムの出現はあくまでドロップであるためボス戦では出現しませんし、本作は回復アイテムの携帯ができません。そのため、基本的に回復無しでボスを攻略する必要があります。

また、ボスたちにダメージを与えるタイミングや手段もかなり限られています。そもそもダメージを与えられない無敵状態や、ダメージは与えられるけれども攻撃を仕掛けたらほぼ確定反撃を食らってしまう状態などが多く、敵の猛攻を切り抜け、時折現れる隙に攻撃を叩き込む必要があります。(どの行動が隙なのかはトライアンドエラーで死んで覚えるしか無いです…)

ただ、PSP版では、先ほど少し触れたWブーストの発動でボス戦でもHPの回復が可能なため、オリジナルのPC版よりは難易度が低減されています。

とはいえ、特に後半のボスはノーマルモードでさえ初見撃破に手こずる面々が揃っているため、ある程度死んで覚える、ことを意識した方が精神衛生上好ましいかも。

ボス戦では数回負けると、難易度を下げてリトライすることができるようになりますので、どうしても難しい場合は迷わず難易度を下げましょう。

音楽も非常に良曲、良アレンジが多いのは流石のファルコム。特に「翼を持った少年」は相変わらず素晴らしいです。

近作のイースシリーズとは趣の異なる本作ですが、また違った面白さがある本作、是非遊んでみてはいかがでしょうか?

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アドベンチャー

街 ~運命の交差点~ 特別篇

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル サウンドノベル
開発元 チュンソフト
発売元 チュンソフト
発売時期 2006年4月27日
価格 2,037円
CERO D 飲酒・喫煙、セクシャル、ギャンブル

売上は芳しくなかったがプレイした人間の心と記憶に残る作品。

WSファミ通の「続編が出て欲しいゲームランキング TOP20」の常連作品。発売から約10年後、念願叶って『428』が発売されたのは、また別のお話。

渋谷の街に生きる8人の主人公たち。お互い全く面識はなく、本編中でも出会うことは殆どありません。
なのに、お互いがお互いに影響しあう不思議な感覚は「ノベルゲーなんて」と食わず嫌いをしていた僕に非常に衝撃を与えました。

主人公は8名で簡単な概略は以下です。

  • 雨宮 桂馬:渋谷中央署生活安全課少年係の刑事、思い込みが非常に激しいがゲーム中ではその思い込み通りになることの方が多い。自称ゲーマーだがその風貌からはオタクと言った方が近いかもしれない。喋り方も特徴的、なんのキャラ付けだ。
    渋谷巡回中に爆弾爆破の犯行予告状を受け取り、渋谷爆破をかけた爆弾ゲームに巻き込まれていく。
  • 牛尾 政美:武闘派No.2まで登りつめた元ヤクザ。現在は組を抜け堅気の生活を送っている。
    宝石店に勤める高峰綾にプロポーズをしようとしているものの、元舎弟の宝石強盗に巻き込まれ、自分とそっくりな役者男と間違われ、ズブの素人が何故か映画に出演することになっていく。
  • 馬部 甚太郎:長年無名であったが、初めて大役を任された売れない役者。
    チャンスを掴もうにも空回り、果ては自分とそっくりな顔をしたヤクザと間違われ、宝石強盗犯の逃避行をする羽目に…
  • 篠田 正志:父親が大手家電メーカーに勤めるいたって普通の大学生。
    父親のコネで内定を取り付け平凡な生活を送っていたが、謎の組織に過去に強引に参加させられた学生運動をネタに脅迫され、300万円を払うか、1万円を払って組織に参加するかを求められる。自身も謎の組織に参加する選択をする事で、正志も脅迫を行なっていくこととなる。
  • 市川 文靖:新人文学賞を受賞するがその後の作品は鳴かず飛ばず、ある時プロットを手がけたテレビドラマが大ヒットしたことで、様々なドラマのプロットを執筆することとなる。
    ただただ低俗なテレビドラマのプロットを垂れ流す自分に嫌気がさし、自らの原点である純文学の最高傑作の執筆を決意する男の物語。トラウマ製造機
  • 飛沢 陽平:文武両道をこなす優秀な高校生で自他共に認める人気者。女癖が悪いのが唯一の欠点な高校生。
    ある日、遊びで一夜を共にした女性に呼び出された彼、「赤ちゃんできちゃいました」の一言が。元カノと今カノも巻き込んだドタバタコメディを繰り広げる。
  • 高峰 隆士:日本を離れフランス外人部隊に所属する屈強な男。部隊活動をするうちに自身の残虐性を自覚、恐怖し日本に逃げてきた。
    家出同然で出奔した実家に戻るか否か、日本に戻っても破壊衝動は抑えられぬまま、因縁をつけられた街の不良を機械的に的確に壊してしまう自分に恐怖し、逡巡しながら彼は渋谷を彷徨い続ける。
  • 細井 美子:名前とは裏腹にぽっちゃり大食感な妙齢の女性。だが、太っている自覚は無い。
    ある日恋人に「5日間で17キロ痩せなければ別れる」と宣告されることで幸せな生活は一変、別れたく無い一心で無茶なダイエットを始めることになる。果たして彼女は痩せられるのか?

以上の8編がメインのシナリオで、プラスして隠しシナリオが2編存在します。各主人公のシナリオをすべて読み終える事で読めるようになる1編と、BADエンドを100個集めることで読める様になる1編です。ネタバレになるので伏せておきますが、どちらも他の主人公に大きく関わるシナリオです。両方とも結末は衝撃的で、片方のシナリオはその性質上、非常に好き嫌いが分かれます。もう片方のシナリオについては、おそらく万人が涙する非常に感動的な話になっています。特に後者のラストは正に『街』を象徴する展開であると思いますので『街』を遊ぶなら少なくてもこのシナリオまではたどり着いてほしいです。

また、PSP版では新たにシナリオが2編追加されています。こちらは完全に読み物でゲーム独自のシステム(TIPSやZAPPING)は搭載されていません。PSP版の追加シナリオのうち1編は意外な人物のもう1編はそれなりに順当な人物のシナリオだと思います。こちらも各主人公のシナリオをすべて読み終える事でシナリオが追加されます。
ただ、『街』にはその他にも人物背景や5日間の行動が非常に気になるキャラクターが数多く存在する為、もっともっとシナリオを追加してくれても良かったのに、と思わずにはいられません。元々主人公100人構想というものを目指していたこともあり、意味ありげなキャラクターが非常に多く出てくるのですよね。
当初は続編で同時間帯の別の人物を取り扱ったものを出すようなインタビュー記事などもあったのですが、『街』の売上本数はそれなりではあったものの全編実写の総製作費と天秤にかけると大赤字。計画は頓挫してしまったことは残念です。ミリオンセラーくらい売れていれば可能性はあったかもしれませんが、実際には売上本数10万本程度だったと記憶しています。


本作は、各主人公が知らず知らずのうちに影響を与え合う物語ですが、主人公同士が顔を合わせることは滅多にありません。どちらかというと脇キャラクターの方が各主人公のシナリオを縦断しているかもしれません。例えば、主に牛尾と関係の深い暴力団組長の白峰 忠道は、ある時は篠田 正志に脅迫される側として、ある時は飛沢 陽平の今カノのおじさんとして登場します。他にもある主人公のシナリオの主要脇役キャラクターがある主人公の親族であったり、ある主人公の現恋人は過去に他の主人公と付き合っていたり、ある主人公の母親とある主人公の母親が一卵性の双子であったり、と、目立たない所でも見えないところで各人物は繋がっているのだということを強く意識させてくれる構成をしています。

各シナリオを読み進める中で表示される他の主人公への「ZAPPING」は能動的に行うことも出来ますが、どちらかというと1人の主人公のシナリオを読み進め、節目節目に現れる物語の切れ目を表す「つづく」を解消するために利用することが多いと思います。各主人公がニアミスしたときはもちろん、意外な場面で意外な主人公に繋がっていくこともあるため、読み進めながら次々にZAPPINGしていくのも楽しいですね。

また、文章中に現れるTIPSはゲーム内の裏設定や現実の解説などを真面目に、時に面白おかしく解説しており、本編を読みつつも次のTIPSがあらわれるのを今か今かと待ちわびてしまうような感覚になってきます。

時間軸で可視化されたストーリーチャートは、その時間帯に各主人公が一体何をしていたかを俯瞰する事ができ、また各主人公間の移動や時間軸の移動も直感的に出来るため、非常に便利なシステムです。自身の選択だけではなく各主人公たちの選択が他の主人公に与える影響も、ストーリーチャートを俯瞰すればなんとなく見えてくるため、BADエンド集めなどでは重宝することになると思います。

各主人公のシナリオは1部の例外を除いて最初から最後まで直接交わる事はありません。各シナリオは文筆所為で、ミステリーやシリアス、コメディ、ホラー、ラブコメ、バイオレンスなどバリエーションに富んでおり、同じ読後感が得られるものはありません。物語の多様性により、飽きずに先を読み進めることができます。

ただ、難点が1つあり、各シナリオで発生する「つづく」や、すべての主人公のシナリオを読み進めなければ次の日には進めないという仕様と、前述の多様性が合わさる事でプレイヤーと“合わない”シナリオも必ず読まなくてはいけない、という枷が出来てしまいます。特に、市川のシナリオは好き嫌いがはっきりと分かれ、かつ嫌いな場合はかなりの苦痛を強いられると思われるため、人によってはかなり大きな難点となってくるのではないかと思います。(かくいう自分も市川のシナリオを読んでいると精神がすり減り読み進めるのが非常におっくうでした。けして面白くないとか、読みたくない、とかいう気持ちではないのですが…)

人によっては多少の難点はありますが、最悪嫌いなシナリオは読み飛ばしてしまえばいいので大きな問題ではないでしょう。全体的には非常に良作であると思います。伊達に十数年も評価され続けていたわけではありませんね。是非、遊んでみてはいかがでしょうか?

428 ~封鎖された渋谷で~

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル サウンドノベル
開発元 チュンソフト
発売元 スパイク
発売時期 2009年9月17日
価格 2,057円
CERO C 暴力、犯罪、麻薬、言語・その他

先が気になる演出は見事の一言。ファミ通40点満点の名作。

前述の『街』が発売されてから約10年、魂を受け継いだ作品が本作です。

シナリオ上は完全に別物(正確には街の10年後が本作であることが本編中で匂わされています)ではありますが、実写の静止画を利用したサウンドノベル、複数主人公を随時切り替えながら読み進めていくザッピング制、テキスト中に豊富に用意されたTIPS、物語の舞台が渋谷、など『街』の正統続編であることが伺える内容になっています。

『街』では、各主人公の知らず知らずのうちに影響しあう不思議な感覚の物語が展開していましたが、『428』では、ゲーム開始当初こそ各主人公の直接的な接点は乏しいものの、ある一つの事件を巡って収束していく物語が展開されます。

主人公は5名で簡単な概略は以下です。

  • 加納 慎也:渋谷警察署の新米刑事。正義感が強く直情的な性格。ラグビーで鍛えた身体が自慢。
    物語は、彼が渋谷で発生した誘拐事件の張り込みをしているところから始まる。犯人の策略にすぐ乗せられてしまうポンコツ風味。
  • 遠藤 亜智:渋谷の若者を統率しているグループの元リーダー。現在は引退し、渋谷の街のゴミ拾いに精を出している。
    渋谷ハチ公前で、銃口を向けられた一人の少女と出会うことで彼の運命は大きく動き出す。顔は怖いが優しい兄ちゃん。顔の通りに難しいことは苦手。
  • 大沢 賢治:大手製薬会社の研究所長でウイルス研究の第一人者。家族を顧みない仕事人間。
    渋谷で発生した誘拐事件の被害者で、娘を人質に取られている。精神的に一貫している他主人公に対して、彼の心情は揺れ動く。
  • 御法川 実:フリーライターで自分の記事に絶対の自信を持つ傲慢不遜な男。取材方法も挑発的だが腕は確か。反面、困っている人は見過ごせない正義感も持ち合わせている。
    莫大な負債を抱え社員もいなくなり、雑誌の原稿もおぼつかなくなった出版社社長のため穴埋め記事の作成に奔走する。
  • タマ:アルバイトに精を出す猫型着ぐるみ。どうやら中身は女性であるようだが、着ぐるみのファスナーが壊れてしまったため脱げずにいる。
    雑貨屋で見つけたペンダントを買うため、ダイエット飲料のバーニング・ハンマーのPRバイトに振り回される。一見1人だけ本筋に関係ないように見えるが…?

序盤の主要人物

  • 大沢ひとみ:誘拐事件で誘拐された女性の妹で大沢 賢治の娘。身代金受け渡しの運搬役として指名され、渋谷ハチ公前で犯人の指示を待っていた。
    拳銃で狙われていたが、遠藤 亜智に助けられ、行動を共にすることになる。

その他、物語に関わるキャラクターは多数登場しますが、各脇役キャラクターにもしっかりした個性や背景が準備されており、いわゆるモブキャラクターというものは殆ど登場しません。本編中ではなかなかその背景を窺い知ることは難しいのですが、豊富なTIPSの中に彼ら彼女らの裏側を解説したものが存在し、ちょっとした楽しみを与えてくれます。

5日間の生活を描く『街』とは異なり、ある日の10時間を描いた本作。日数が減ってボリュームが下がったのでは?と思われるかもしれませんが、『街』では、場面転換で時には数時間後まで飛ぶことがありましたが、『428』では概ね5分か10分単位で物語が進行するため、ボリュームに関しては問題ありません。逆に、主人公たちの活動時間帯がほぼ一致するため、更に密度の濃い物語が楽しめるようになっています。

物語を読み進める中で表示される他の主人公へのJUMP、節目節目に現れるKEEP OUT、1時間区切りで存在し全ての主人公の物語を読み進めなければ解除されないTO BE CONTINUED、自身の選択だけではなく他主人公の選択の影響により発生することもあり独自の結末を描くBADエンド、ゲーム内設定や現実の語句を面白おかしく時に真面目に解説してくれるTIPS、時間軸で可視化されたストーリーチャート、と名称は変われども、『街』のシステム全てが受け継がれており、精神的な続編として満足のできる作品になっています。

大きく異なるのは、前述した物語の時間の密度がまず1点。物語に要する時間が短くなった分、展開がスピーディになり、手に汗握る展開、すぐにでも先を読み進めたい展開が目白押しとなり、プレイヤーを物語にグイグイ引き込む力は『428』に軍配があがると思います。

もう1点は、全ての主人公がある1つの事件に関わるようになっていくストーリーライン。こちらについては好みの問題もあり、特に『街』からのユーザーには賛否両論とされる点ではありますが、各主人公の作風が多少の差はあれど均一化されていることも合わせて、『街』の不満点として多かった、作風が多様過ぎて好みではないシナリオも読まざるを得ないといった点の解消に役立っているのではないでしょうか。
また、ひとつの大きな事件を解決する、という目的で盛り上がりの波が作られるため、展開がスピーディになったことと同様、プレイヤーを物語に引き込む力の一助になっているかと。

とは言いつつ、個人的には『街』の多様性と、重なりそうで重ならない、でも影響し合う人々の不思議な感覚の方が好きだったりするのですが(笑)

また、本編クリア後に、本編とは直接の関連が無いボーナスシナリオや、隠しシナリオ、直接どころか何の関連もない不思議なシナリオなど、チュンソフト製サウンドノベルの作りを踏襲したおまけが大量に用意されています。
こたらも楽しく読めるシナリオが集まっていますので頑張って全てを確認してみましょう。正直、攻略サイトがないと全部見つけるのは不可能だと思います。

難点として、ボーナスシナリオの一つがあまりにも本編の作風と乖離し過ぎている点でしょうか。一応、著名な作家が書き下ろした物語で、作家のファンであれば垂涎ものではあるかもしれないのですが…。申し訳ないですが、僕はちゃんとそのボーナスシナリオを読んでないです…(読んでる途中で挫折…)
もう一つのボーナスシナリオが非常に出来が良かったのも、尚更もっと作風にあったボーナスシナリオを代わりに用意してくれていたら良かったのに、と思う一因かもしれません。
まぁ、全体から見ればほんの些細な問題点です。

『街』をしっかり感じさせてくれながらも、シナリオには新しいチャレンジを盛り込み、『街』とは違った面白さを提供してくれる本作。ゲーマーの皆さまはもちろん、ゲームはしないけど小説は読む、といった方にも是非お勧めしたいです。遊んでみてはいかがでしょうか?

ちなみに今年2018年は『街』発売から20年、『428』発売から10年の節目の年でもあります。数年前のインタビューで、記念の年には何かやりたい的なことを言っていた覚えがあるのですが、果たしてどうなることやら。

銃声とダイヤモンド

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 交渉アドベンチャーノベル
開発元 ツェナワークス
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売時期 2009年6月18日
価格 3,909円
CERO B 暴力、犯罪、言葉・その他

隠れた高評価名作ゲーム。犯人との交渉は唯一無二のゲーム性。

コンビニ強盗やストーカー、暴力団、バスジャック犯人などあらゆる事件を非武装で、口先だけを頼りに解決していくヴィジュアルノベルです。

基本的にはただ読み進めるだけの形式で進行していきますが、犯人との交渉パートに入るとシステムは一変。犯人の話を聞きながら性格やテンションを判断し、複数の候補から適切な相槌を打ち、時には沈黙して話を聞き続け、有益な情報を引き出し、あるいは犯人を投降に導くリアルタイムな会話劇を繰り広げることになります。

交渉を有利に運ぶには、相手の感情を揺さぶることが重要ですが、犯人を過度に怒らせると交渉は決裂、いずれも悲惨な結末へと繋がることになります。慎重に、時に大胆に会話を進めることが重要になってきます。

とはいえ、交渉をするにしても基本的に相手は見ず知らずの他人。性格を考えて会話しようにもこれでは出来ませんよね?というわけで本作ではプロファイリングパートがあります。ノベルパートや交渉パードで手に入れたキーワードを選択することで、仲間の敏腕プロファイラーが交渉に役立つ人物プロファイルをしてくれるのです。プロファイルが成功した場合は、交渉パート中の相槌部分に相手に取ってポジティブな発言かネガティブな発言かが表示されるようになるため、交渉を有利に進めるヒントになります。

シナリオはチュートリアル的な立ち位置であるプロローグを含め全部で7つ。最後のシナリオは、他のシナリオを全てグッドエンドにすることで出現します。各シナリオ中に撒かれた布石や伏線が回収されるのはこちらです。
プロローグと最終シナリオを除くシナリオでは、交渉を少し失敗することで突入するアナザールートも用意されています。事件の真相が明かされず最終シナリオにも突入できないものの
、こちらのルートもクリア扱いではあり、グッドエンドとは全く違った展開のアナザーエンドを見ることが出来ます。真相が判明しないためどこかスッキリしないものの、一味違った余韻が楽しめます。

『かまいたちの夜』や『街』の監督と同じ方が全体演出を担当しているためか、交渉が決裂した場合も簡易ながらバッドエンドが用意されており、それを集めるのも一つの楽しみになっています。全て集めるとおまけシナリオの解放といった要素も。

難点としては、バッドエンドやアナザーエンドなどシナリオを繰り返し遊ぶ必要がある要素があるにも関わらず交渉パートの早送り等が出来ないこと。交渉パートはリアムタイム性がキモであり、どうしても仕方ない部分ではありますが、やはりすとれすは溜まります。
もう一つは相手の感情に訴えかける「交渉」をメインテーマに据えているため、交渉パートの絶対的な正解が分からないことです。もちろん、シナリオ上こうすれば最高評価でクリアできるという解法はあるのですが、何故それが正解なのか?違う方法では何故ダメだったのか?明確には分かりません。明らかに相手を怒らせる選択などは分かりやすいですが、一見どちらを選んでも問題なさそうな選択で、片方がグッド片方がバッド、ということもあるため若干運ゲー的な側面もあります。

どちらも「交渉」という難しい題材に真正面から取り組んだ故の難点であり、裏を返せば面白さにも繋がっている要素であるため、難しい部分ではあります。

ともあれ、新しいゲーム体験をさせてくれる作品であることは間違いない本作。是非、遊んでみてはいかがでしょうか?

一つ印象深いのはプロローグの交渉相手。本編では、バスジャック犯や暴力団幹部、殺人犯など凶悪犯の相手をすることになるのですが、プロローグの交渉相手は「自分が警察官だと思っているコンビニ強盗(挙動不審)」字面だけ見たらこいつが一番交渉不能犯じゃねーか、と思いました。

TRICK×LOGIC Season1 & Season2

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル ヒラメキ発見ミステリ・ノベル
開発元 チュンソフト
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売時期 2010年7月22日~2010年8月26日各話分割販売
価格 【Season1&2セット】4,896円
CERO C 暴力

ガチに取り組める本格推理小説ゲーム。

著名な推理小説家がこのゲームのために書き下ろした本格推理小説たち、プレイヤーはそれを読み自分で推理していくサウンドノベルです。

執筆陣は綾辻行人、有栖川有栖、我孫子武丸、竹本健治、大山誠一郎、麻耶雄嵩、黒田研二と少し推理小説を齧ったことがある人なら聞いたことあるだろう、くらいのガチの顔ぶれです。

両シーズンを合わせるとシナリオの数は10編。プラスしてプレイヤーが推理する必要の無いおまけシナリオが1編用意されています。

一応、全体を通してのメインストーリー(主人公は誰かに殺されそうになり、魂だけが地獄に飛ばされてしまった検事。地獄で現世の未解決事件を解決することで元に戻してもらえることになった。)はあるのですが、各推理シナリオとは全くもって関係なく、最終話を解決しても非常にモヤッとした終わり方しかしないため、あまり評価は高くありません。
推理シナリオの最終話をメインストーリーと連動させて、一緒に解決することにしたりとやりようはあったと思うのですが…
とはいえ、そういう仕掛けを作ろうとすると推理シナリオの方にいらぬ制約が出てしまう可能性もあるため、仕方なかったのかもしれません。

まぁ、メインストーリーはおまけみたいなものです。このゲームの本質はあくまて遊べる本格推理小説。

各シナリオはおまけシナリオ以外は推理編と解決編に分かれており、最初は推理編を読むことしかできません。推理編では、文章中に様々なキーワードが現れます。プレイヤーは関連するキーワードを組み合わせることで「ナゾ(事件に対する疑問)」を作り出し、さらに「ナゾ」とキーワードを組み合わせることで「ヒラメキ(ナゾに対する仮説)」を得ることが出来ます。

「ナゾ」も「ヒラメキ」も多数用意されており、特に「ヒラメキ」に関してはあくまで仮説のため、最終的に何が正しいかはプレイヤーが事件を解決するまで分かりません。

プレイヤーは「ナゾ」や「ヒラメキ」を集めながら推理編を最後まで読み進め、調書として提示される種々の設問に「ヒラメキ」などを用いて回答をしていきます。調書を完成させることで、解決編に移行しますが、まずは検証が開始され、正しい推理ができていれば事件の全容を見通せる解決編を最後まで読み進めることができる様になります。逆に、調書が不完全な場合は再度推理編に戻り、改めて「ナゾ」や「ヒラメキ」を集めたり、調書を作成し直すといったことが必要になってきます。

特にSeason2に収録されているシナリオに顕著ですが、はっきりいって全て自力で解答するのは至難です。事件の真相を紐解くのも、「ナゾ」や「ヒラメキ」を集めるのも尋常じゃないくらい難しい。

救済措置として、キーワードの組み合わせを一定回数間違えると未発見の「ナゾ」を自動的に取得できたり、推理自体へのヒント(ただし、ヒントを見るとクリアランクに大いに響く)を見る機能があったり、主人公の仲間キャラクターが間違い推理(プレイヤーのミスリードを防いでくれる役割もあります。)を聞かせてくれたり、と難易度を下げる要素が充実しているため、どうしても自力で解きたい場合以外はなんとか解決編を読むことができる様になると思います。難易度はかなり高いので、自力で解けなくても恥ずかしくありません。

ただ、キーワード組み合わせシステムの欠点として、プレイヤーは既に違和感や真相に気づいていても「ナゾ」や「ヒラメキ」が集まっていないと解決編に進めない点があります。
後半のシナリオになると、キーワードの組み合わせがかなり分かりづらくなっていくこともあり、ここはもうちょっとどうにかならなかったのかなぁ、という気持ちになりました。

とはいえ、ゲーム性はかなり斬新で、遊べる本格推理小説ゲームとして非常に面白い出来になっていますので、是非、遊んでみてはいかがでしょうか?

THE どこでも推理 ~IT探偵:全68の事件簿~

PSPのおすすめ名作ソフト

ジャンル 推理
開発元 トムキャットシステム
発売元 D3パブリッシャー
発売時期 2006年4月27日
価格 2,057円
CERO A

お手軽に遊べる推理ゲーム。ゲーム内に出てくるちょっとした蘊蓄も魅力。
初代PSで発売された「THE 推理」、PS2で発売された「THE 推理2」「THE 推理3」を一本にまとめ、新シナリオを10話追加した移植+αされたお手軽ヴィジュアルノベルです。

近未来を舞台に、「人間の質問や会話に対して、最適と判断した文章を返す」ことが出来る擬似人格インターフェース(擬人)と呼ばれる高度なAIが存在する世界観で、ご近所の揉め事や殺人事件まで、いろんな事件を推理するオムニバス形式の物語が展開していきます。

物語は、大きく推理I~推理IIIと推理+αの章に分かれており、1章あたり20話程度(+αの章のみ10話程度)のシナリオが用意されており、1話あたり数分から十数分程度で読み終えることが出来るため、気軽に遊ぶことが出来ます。

タイトルにもある通り、シナリオ数は68本とそれなりの数が用意されていますし、また、章をクリアする事に各話の後日談を観ることが出来るようになるため、1本1本は短いですが、値段の割には十分なボリュームを得ることが出来ます。

システムはシンプル。画面クリック型の調査パートで写真や映像などの気になる部分をクリックし情報を集め、情報が集まれば推理パートの会話で適切な選択肢を選ぶことで事件を解決に導くだけです。
調査パートでは、あといくつ調べるべきポイントが残っているかが可視化されているのが便利ですし、全ての調査が終了しないと推理パートに移行しないため、調べ残しは発生しないようになっています。調査ポイントも"何か気になる"箇所を調べれば大抵問題なく全ての調査ポイントが調べ終わる様になっていますのであまり詰まることは無いでしょう。たまに調査ポイントがちょっとわかりにくい時もありますが…
探偵パートも最悪総当たりが可能な形になっていますので、分からなければ諦めて総当たりを試すのも良いでしょう。まぁ、ちょっと頭を捻って違和感に気付くことができれば特に詰まることなく進められるとは思います。

舞台となる探偵事務所の所長で主人公でもある人間のボス。しっかり者だがきつい性格な擬人美人秘書のジニー。元野良ウイルスで気まぐれな性格の擬人猫型検索ソフトの賢作。
この三人の軽妙なやりとりや、時折挟まれる蘊蓄もバラエティに富み意外と知的好奇心が満たされることも。

1話限りの脇キャラに関してもしっかりデザインされており、短めの構成も合わせてついつい新しいシナリオを読みたくなってしまいます。

SIMPLEシリーズとしては、同開発元が手がけ、同じ世界観を持つ「THE 鑑識官」や「THE 爆弾処理班」などもおススメの一作です。(主にDSで展開していたので今回は紹介しませんが…)

気軽にプレイできる息抜き的なソフトとなりますが、一つ一つが小粒ながらもバリエーションに富んだ推理劇が繰り広げられる本作、時間がないけどADVが遊びたい!な方にいかがでしょうか?